Today's Komori今日の小森嗣彦

JBTOP50開幕戦ゲーリーインターナショナルカップ

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遠賀川で開催されたJBTOP50開幕戦ゲーリーインターナショナルカップが無事に終了いたしました。今回はプリスポーンの遠賀川。前回の遠賀川戦でちょっとした気付きがあり、勝機があると思っていました。ただ遠賀川戦は私にとって鬼門。短日一位が過去に二回もあるにもかかわらず、未だ表彰台に上がったことはなく、それどころかシングル入賞すらない会場でした。正直3回以上開催されたフィールドで私が表彰台に上がったことがないところはここ遠賀川だけ。苦手で片付けてはプロはいらない。そろそろなんとかしたいと思っていました。
そんな遠賀川攻略の気付きとは、シビアな試合状況とは裏腹にバスの数がとても多いということ。それとテクニックで引き出す必要が実はそれほどなく、状況を読み、攻め方が「間違っていなければ」いれば食う、アグレッシブな魚がターゲットであることでした。個人的には関東でいうと見た目が霞ヶ浦の高滝ダム本湖を釣っているようなイメージです。
あえて「間違っていなければ」とかいたのは、正解がたくさんあると言うことです。
今回のメインは季節の進行が遅い中流~下のブレイク付近やその下で待機するプリスポーンのバス。これがサイズがデカく、アベレージでキロオーバーでした。勝ちに絡めるパターンです。これをダウンショット、フリーリグ、クランクベイト(Deep-X100とX-DAD)のルアーローテーションで狙っていこうと考えてました。
しかしその戦略に疑問を抱かせるほど上流新日鉄堰前のエリアが爆釣していました。私も練習中、ここで1500gオーバーに何度か出会えました。しかもまとまって魚がいることは有難い。スタートがよくないとポジショニングできない人気エリアだけに、頭を悩ませましたが、初日は前半のスタートを引けたのでひとまず上流から釣りを開始しました。
上流は2mほどのフラットで少し穴になっているところをアップヒル気味にGテールサタン4インチのライトキャロで攻めました。ファーストキャストで700gくらいがヒットしたのですが、ネット間際でロスト。遠賀川のバスはこれがよくあるのです。地元の友人たちはフックサイズを標準より1つ上げて対応しているようです。そのミスから1時間半後、ようやくファーストフィッシュをキャッチ。これはカットテール4インチのジグヘッドでズル引き&ハングオフでした。
プラクティスから心掛けていたのは上流から下流までの広いエリアの使い方でした。元々よっぽどのことがないと一ヶ所で粘れない私は遠賀川でもインビジブルストラクチャーをランガンすることが多かったのですが、これまではバッティングが激しく、動きすぎて行き場所を失うということがしばしばありました。なので広範囲を効率よく使うために、プラクティスでは毎日最下流から最上流までの全エリアを動きました。
上流では2本、もしくは2時間までと考えていたので移動。そのあとそのエリアで誰かが爆釣しても気にしないと決めていました。次に入ったメインの中流域にある深めのポイントを回っていくと2本魚が拾えました。これは得意のレッグワームのダウンショットです。ブレイク上から下に落とし込んで狙うのでザルツのインディゲーターというマーキングラインを使うのが肝でした。初日はブレイクのショルダーにはいったらすぐバイトがあり、イージーと言えばイージーでした。フックはスーペリオのLO#3。まぁこのセットで掛けたらミスることは絶対ありませんね。
その後、東風(プラクティスでは一度も吹いたことがない)がとても強くなり、ブレイクのライトリグが難しくなったのでフリーリグにローテーションし、リップラップを狙い魚を追加して4本、これで初日は3176gで11位という結果でした。フリーリグはKOMCLUSION九州プロスタッフの山崎くん考案のファットヤマセンコー。使い方は小さなリアクション。フックはスーペリオCO#1。フリーリグのロッドは2021年満を持して発売を予定しているKOMCL-65MLSというロッドで、ソリッドディップと力強いバットを備えたベイトワーミングスペシャルです。

さて、問題の2日目。初日の後半、風に苦戦したことを考慮して、同じ風予報の出ていたこの日は少し焦がありました。初日の順位が、ウエイト差があるとはいえ、まだ優勝を狙えるポジション、しかし鬼門遠賀川の2日目なので手堅く行くのか、攻めるのか、悩んだままのスタートとなってしまいました。風のないうちにブレイクにはいればよかったのですが、小場所を触りながら、他の釣りも試しながら、初日メインに釣ったポイントに入ったときは既に風が嫌な方向から吹き始めていました。それでも丁寧に狙えば釣れたかも知れませんが、「焦り」があったのだと思います。手早いブレイクのフォールの釣りだけ試しているうちに爆風になり、丁寧に狙える状況ではなくなってしまいました。
丁寧に釣るべき、ということを再確認し爆風の中で選択した釣りはカットテールのノーシンカー。集中力をMAXするためです。それを今回一番いいと思っていた浚渫跡に杭が絡むインビジブルへ落として、泳がせてを繰り返しました。待望のファーストフィッシュは12時頃きました。しかし無情にもネット間際でロストしてしまいました。狙っていた杭からかなり泳がせたところで手前へ走るバイトだったので、アワセが効いていなく、ネットインを焦った完全な私のミスです。左手に掴んだネットをもう一度デッキへ置いて、もう少し丁寧にやり取りをしていれば…。これ余談ですが、ネットを使っていいJB戦よりネットの使えないバサクラの方が私はミスが少ないのです。ミスをなくすには、やり取りをしっかりやること、これが一番大切なんですよね。まぁこのミスがあってこそ最終日に繋がるのですが…この日はこのままリズムを崩し、行く先々で先行者がバスをキャッチするシーンを見せられるだけで痛恨のノーフィッシュ…悪夢のような、いや本当に夢のようなあっという間の1日でした。

そして最終日。今回、私は3日間とも上流以外同じポイントをローテーションしました。最終日だから一発当ててやろうとか、違うことをやったわけではないのです。そもそもプラクティスから狙っていたプランがしっかりハマればブッチギリで勝つつもりでした。そうはいかないのがトーナメントですが、最終日は貯まった貯金をおろす勢いでウエイトアップしました。
小場所を触ってから2日間やったブレイクに。雨は降っていましたが、風がないので、とにかく丁寧にやることを心掛けました。ルアーはレッグワームのダウンショット。そしてファーストバイト。2日目のミスが頭をよぎりましたが丁寧に丁寧にやってこれをキャッチ。そこから10分後にまた一本。これで2キロオーバーとなりました。この時点で9:00前。これは揃うなと、だいたいそんな予感がするときは揃います。昨日ミスったところに入り更に1本追加。これで推定4キロ弱。更に粘ってこの日の最大魚をキャッチしました。5キロは越えただろう。あと一匹です。時折激しくなる雨に加えて北風がとても冷たく、手が悴んでしまいました。そのせいで次のポイントに入ってすぐにあったバイトをフックアップでミスしました。手応えはあったのですが…。手に力が入りませんでした。そこからグローブを濡れていない新しいものに換え手を温め、次のスポットでこの日1番小さい魚でしたがリミットに成功しました。そのあとは北風が強く吹き荒れバイトが遠退き帰着を向かえました。最後の一本は600gかなと思っていたのでトータル5500gくらいを想定してましたが、なんと6285g、遠賀川5リミットレコードというウエイトで総合3位まで捲りました。
タラレバですが、優勝に200g程度
届かなかったこと、ミス、悔しさが残りはしましたが、3日間プラン通りの動きで遠賀川初表彰台にあがれたことはとても嬉しく思います。遠賀川の魔物はもい去りました。次は必ず優勝します。遠賀川はトーナメント結果だけ見てみると厳しいフィールドというイメージがありますが、それは試合のときだけちょっとツンデレになるだけで、実はこんなビッグウエイトがでるフィールドですし、平日のプラクティスのときは魚が多くとても釣りやすいフィールドだと私は思っています。今回の私の釣り、ぜひ試してください。
最後になりますが、応援してくたさった皆様、本当にありがとうございました。そして、九州でもう15年もいつも変わらず力を貸してくださる鈴木篤さん、熊本の服部さん、KOMCLUSIONチームの山崎さん、それからたくさんの九州のみなさん、フェアに戦ってくれるTOP50のライバル達、私を支えてくださるスポンサー様、そして会場の中間市さん、本当にありがとうございました。さて翌週はJBのスーパーバスクラシック。昨年バスプロ選手権で勝ち取った出場権です。気合いを入れ直して河口湖に向かいます。

写真
※サンガードの下にマスクを着用しています。

2021/4/5