The komori note小森ノート

桧原湖戦の戦略

2014年のTOP50シリーズ第4戦、ホームレイクでもある桧原湖での戦いを終えた。今シーズンはここまで見せ場もなく暫定総合順位が18位。しかしながら混戦化している今年の年間レースはわずかにタイトルへの希望も残されていた。そのつながっている首の皮一枚を残すために、この試合はなんとかシングルの順位以上でまとめたかったのだが、結果から言ってみれば無事に予選は通過したものの総合22位。年間の暫定順位は13位に上げることができたがタイトル争いは絶望的となってしまった。
しかしゲーム内容は悲観するものばかりではない。ここ近年大型化している桧原湖のスモールマウスバス。ウエイトが上がり釣りは面白くなっているのだが、その反面、安定した釣果を得るのがむつかしくなってきている。特にトーナメント3日間においてキーパーサイズを毎日数多く釣ることがそうイージーではないのだ。私も過去2戦のこの時期の桧原湖戦は大きく外している。スモールマウスの釣りは場所で当てていくことはもちろん可能だが、「釣り方」で同じエリアでも圧倒的に釣り勝つこともできる。場所でサイズを狙うのではなく、数を釣ってウエイトを上げていく、このプレースタイルをこの試合ではあえて選んだ。そう言う意味ではこの試合では得るものがたくさんあった。

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3日間安定したウエイトを出すことができた意味は大きい

その安定した釣果を残すために、今回は4本のロッドの使い分けた。リグは全てダウンショット。もちろんフットボールやX70ミノーなどでもゲーム中にキーパーをキャッチしたが、メインはダウンショットだった。
ロッドは全てFantasista STUDIOUS シリーズの,それぞれ60XULS MGS[SIX]、60ULSⅡ MGS[Exprience]、67SULS MGS[V3 Recapture]、旧作の60ULS。リールは全てRevoSTUDIOUS。シンカーは全て1/16oz。フックは某フライフックを使用。掛け、のせ、食わせというイメージで3種類のものを使い分けたが、これは今はまだ明かせない。ラインはそのフックに合わせて細さでチョイスし、1.5LB相当のものからバニッシュレボリューション2、2.5LBを使い分けた。ダウンショットのリーダーは全て40cmとしたが、これには深い意味はない。別に30cmでも構わない。
ダウンショットの使い方にもいろいろあるが、最も私がスタンダードに行うテクニックは、ロッドを立ててシェイクをしながらのズル引き。ミドストのような裁きの使い方だ。この使い方で使用した60ULSⅡ MGS[Exprience]はとてもバランスのとれたロッドで、ほぼ全てのライトリグをこなすことができる。軽く、バットパワーもあり、この釣りにも最も適している。間違いなくこれがベースのロッドである。しかしながら軽いタッチができてショートバイトを感じやすいその軽さが短所となることがあろうとは思いもしなかった。直前プラクティスから桧原湖は強めの南東の風が吹いていた。この風でわずかにロッドが流されてしまい、バイトが浅くなってしまうのだった。技術でカバーできなくもないが、今回は旧作の60ULSを併用することで対応した。20gちょっと重い60ULSではそのようなことがなく、明確なバイトを得ることができた。気圧配置と天気図を見ると、トーナメント3日間もこの風は止まないのでこの2本をベースにして風で使い分けることを選んだ。この釣り方ではバイトは小さく、当たった魚をかけにいくようにあわせる。シェイク後のステイ中のバイトを狙う場合が多かった。

シェイク中のバイトはひったくるようなのもが多く、そのバイトを取りに行くところでは67SULS MGS[V3 Recapture]を使用した。ボートの後方へキャストをしてドラッキング気味になるときや、フッキングがうまくいったにもかかかわらずフックアウトしてしまうようなことが多いときは食わせて持って行かせるイメージだ。ロッドは寝かして使用する。実は今回、このロッドで釣ったバスが一番多い。2012年のシリーズで桧原湖用に緊急開発したロッドだけはある。このロッドの最大の特徴である「タッチの軽さ」は浅いバイトでも違和感なく食わせることができ、水中で暴れまわられてもフックが外れにくい。ただし大きな欠点はやはり風が吹くと使いづらい。長さもあるので少し風が強くなるとルアーアクションも信用できなくなる。その時は60XULS MGS[SIX]を使用した。このロッドはティップにだけタッチの軽さをのせたロッドで、バットの強さは60ULSと並ぶ。
このように、ダウンショットの二つの当たりの取り方を風向きの関係で4本のロッドで対応したのだ。数は圧倒的に釣れた。初日は朝15分でリミットメイク、計30匹以上のキーパーをキャッチ、2日目もリミットメイクには1時間かからず、最終日もあまりの釣れなさに誰もいなくなった早稲沢沖で終了間際まで釣れ続いた。

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上からFSNS-60XULS MGS[SIX]、FSS-60ULSⅡ MGS[Exprience]、旧作のFSS-60ULS、FSNS-67SULS MGS[V3 Recapture] (V3は限定モデルなのでもう手に入らないかも…)

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今回使用したワーム達。バスが飽きないように適度にローテーションする必要があったので、私にしては使ったワームの種類が多い。ベイトとなっていたワカサギは少し大きめだった。

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中でも一番釣れたのがレッグワームノンソル改。テールを少し切ると波動を調節できる。これはプレッシャーのかかった時にはラージにも有効。シークレットテクニック特別公開。ノンソルを使用した理由は浮かせたかったのと、マス針ではノンソルの方がステイの姿勢がいいから。

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このリールの存在も大きい。3日間でラインブレイクは一度だけ。100匹近いスモースをキャッチしてだ。ドラグは別次元。

 

2014/9/2