The komori note小森ノート

TOP50第3戦優勝その2

直前プラクティス

2週間経った直前のプラクティスでも状況は大きく変わっていなかった。むしろスポーニングがだいぶ終わり、スクールでクルーズするバスの数は増えたように感じた。しかしここからフィッシングプレッシャーが加わりどうなっていくのか?私の場合はサイトフィッシングオンリーというわけではなく、見えないところからでもバスを出すことができたので数が釣れていた。釣り方はプリプラクティスと同じだ。もう十分戦えると判断し、直前プラは少し早めに上がった。4kg、3日間これを目標に設定した。

初日

初日は雲の多い天気だった。予報では昼前から雨が降り、明日にかけて大雨になるという。初日のスタートは31番。曳き波がないほうが当然水中は見やすいので、スタートは遅いほうがいいと考えていた。残りの選手がスタートするまで会場付近で時間をつぶそうと釣りを開始する。ものの15分ほどで小さいながらリミットメイクできた。

そしてすぐ2㎏オーバーのバスを2匹発見した。こいつは1投で勝負は決まった。しかし長いファイトの末、アンラッキーがありラインブレイクしてしまう。バスの警戒心を避け、ロングキャストの精度を高めようと2.5lbを巻いてきたタックルだったが、あまりにもバスがでかすぎた。天気が曇って雨が近づいているので口を使わせやすくなっている。このサイズが釣ってくれるならと思い、ここで3lb JUSTを巻いたタックルにチェンジし下流へ向かった。

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その後はショアラインの枝などに何度か巻かれてはしたが、ストラテジックフィネスは本当に強い。こんな日のために作ったラインともいえよう。初日のウエイトは全て3lbJUST!!で釣り上げたものだ。

そこからも見つけたバス(中でも釣れると思ったバス)はほとんど口を使ってきた。魚の見えないエリアはアベンタGTで探るとバスが浮いてくる。バイトには至らないが、チェイスのあったバスを追跡すると群れに戻ることもあり、それをキャッチできた場面もあった。その後西之川出口で2㎏オーバーをキャッチ、西之川の中で1800g、そこからはミスもあったが、大又川合流まで流し、最低が700gトータル約6000gのウエイトになっていた。これでもトップウエイトに近いだろう。今までの私であったら翌日のことを考えてここで攻めるのをやめて、明日以降を考えながらプラクティスに時間を当てるだろう。しかしウエイト制になってからはこの抑えがイマイチ勝ちきれない要因になっている。2日目は雨の予報が出ていたので、ひょっとしたらサイトフィッシングは今日しかできないかもしれない。最低あと一本はキロオーバーを入れたい、そう思い朝一ラインブレイクしたスポットに戻った。そしてそこで再び2㎏をキャッチし7350gまでウエイトが上がった。琵琶湖を除くJBの5リミットレコードウエイトだった。2位とは2㎏以上の差がついていた。

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2日目

2日目は朝から大雨。昼に向けてさらに雨脚は増すという。サイトっは封印された。初日の上位陣の顔ぶれを見ても、やはりサイトフィッシング優勢と感じたがこの天気で一気に変わるかもしれない。初日に釣ったバスがライブウェルの中でたくさんの沢蟹を吐き出していたことをヒントに沢蟹が多いであろう湖岸にシダが生えたエリアを重点的に見ないで攻める。すぐ揃にリミットメイクはできたが3㎏には到底及ばない。初日のアドバンテージは大きいが、この雨で当ててくる選手もいるかもしれない。昼前に一瞬雨が弱まったタイミングがあった。その時間に再びバスを探す。旧発電所下流でスクールが目視できた。「これを釣れたら勝ち、釣れなかったら負け」声に出してキャストをする。1投で決った。群れの中の一番小さいバスだったが1200gあった。3200gくらいまでウエイトが上がった。直後にもう一本同サイズをバラしてしまったが、再び土砂降りになり、この日のサイトフィッシングその一瞬だけで断念した。その後は全てのサイトフィッシングを断念せざるを得なくなったときに備えて考えていたスポットをせめ、1000gを運良くキャッチ、5本3800gとなった。目標のウエイト4kgには届かなかったが、初日の貯金がまだ大きくある。

決勝

予選は1位で通過。初日のアドバンテージは大きかった。しかし2位にはサイト合戦になれば間違いなく優勝に絡むだろうと思っていたが青木選手が上がってきた。ウエイト差は2400g弱。リミットはすぐそろうだろうが、ウエイト勝負の中では1500gのリミットなど何の気休めにもならない。青木は6kg釣ってくる。そう自分に言い聞かせる。セーフティーなど考えず目標の4kgに近づけることだけに集中した。
最終日もリミットメイクは早かった。700gも一本入り早い時間に2200gくらいまでいった。しかし最終日は天気がよくバスが良く見える。初日に比べてあまり口を使ってくれないが、見えている魚を考えると2200gでは不安になる。また、少し恥ずかしい話だが手首が腱鞘炎になりかかってキャストが決まらない。スピニングで精度の高いフルキャストを繰り返しているとだいぶ負担が大きいことに気づいた。うまくいかない釣りにストレスがたまる。バスは見える。この状況で青木選手の猛追に恐怖を感じない選手はいないだろう。そんな話を同船のカメラに向かってしているとき、ようやく釣れそうなバスを見つけた。1500gクラスがショア近くを泳いでいた。
勝負1投で決まった。かに思えたがフッキングの瞬間に口からルアーがすっぽ抜けた。しかしバスまだ残っていた。もう1投全く同じところへ投入する。再び口を使った。1500gをキャッチできた。これで3000gは超えほぼ優勝は決まった。

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トーナメントを終えて

紀伊半島にある池原、七色はバスフィッシングの聖地と呼ばれている。そのロケーション、クオリティーのあるバスは聖地と呼ばれるだけのことはある。今回も心から楽しめた。今回のメインルアーはネコリグだ。そして大きい魚はほぼそうだ。しかしフックのかけ方であったり、ルアーを落とす場所であったり、バスが現れるスポットに入るタイミングであったり、アクションであったり、キャスト精度であったり。こういったテクニックを駆使する釣りもやはり釣りとしてとても面白い。単純で派手に見える釣りでもテクニック抜きで誰もが同じように釣れるということはないだろう。昨今よくトーナメントの釣りは…という言い方をされることがあるが私にはその区別はない。私の釣りは「バスを知ること」だから。ライトリグに勝てるビッグベイトも、ビッグベイトよりでかい魚の釣れるライトリグもどちらも同じくらい魅力がある。バスフィッシングの世界はまだまだ奥が深くて面白い。聖地で戦いながら感じたのはそんなことだった。
初戦に続き同一シーズン2勝目となった。不慣れなサイトフィッシングという戦略、そしてそれを得意とする選手の多いこのカテゴリーでの優勝は色々な自信につながる大きな一勝となった。これでTOP50シリーズ通算6勝目。年間ランキングも再び3位まで上昇した。残り2戦、全力をかけてタイトルを獲りに行く。
最後になりましたが、今回もたくさんの応援、本当にありがとうございました。会場にお越し下さったギャラリーの皆様、暑い中ありがとうございました。今回の大会開催に尽力してくださった下北山村の皆様、業界関係者の皆様、ありがとうございました。それからカーブのおっちゃん、チームホワイトリバーのみんな、紀伊半島での勝利は本当にうれしく思います。私に関わる多くの方々に心から感謝いたします。
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2016/7/15