The komori note小森ノート

TOP50第1戦遠賀川

今年もJB TOP50が開幕した。開幕戦は私にとっての鬼門、遠賀川戦。霞ヶ浦水系に似たマッディシャローリバーで、特に苦手なタイプのフィールドではないはずだが、2001年のクラッシック以来、かれこれ13年と少し入賞をしていない。どころか2006年は初のタイトルへのチャンスもこの川で散り、バスのいるところ、釣り方を見つけていても、信じられないくらいのミスを連発したりなんてのも毎回のごとくであった。とくに酷かったのが2010年のエリート5で、2日間、リミット10本のバスに対し、13回のフックアウト、ウエイインに持ち込めたのは小さいほうから6本で最下位意。この試合はリミットメイクができていればという展開だっただけに、まさに勝てる試合すら負けに変わる相性の悪さだった。
ただ正直、今回は少し自信があった。遠賀川の食わせのリズム、バスの特性など、あらゆることを考え直し、少し形になるものがプラクティスで見えていたからだ。私が得意とする霞ヶ浦水系とはバスの性格が違う、ポジションが違う、川といえども旧吉野川や利根川とは流れが違う。ヒントはそんなところにあった。
トーナメントで実践したのは春なのでまずは巻物。使ったのはSHADING-X55、75、Deep-X100、200の4つとハスの多いところではマイキーも投げた。Deep-X100はグラスロッドで使用。この時期は掛かりが甘い上に魚があまり暴れないこともあるため、柔らかいグラスロッドが必要だ。

1427856081453巻物タックル
左から順に
ロッド:Fantasista STUDIOUS FSNC-65M MGS BEHVIRE
リールRevo LT NRC923M PRO

ロッド:ハンティングシャフトスペシャル HSSC-60FFM
リールRevo LT NRC923M PRO

ロッド:Fantasista FC-65ML MGS
リールRevo LT NRC923M PRO

ロッド:Fantasista STUDIOUS FSNS-62LS MGS SATORI
リール:Revo STUDIOUS

食わせの釣りには今回はカットテールの4インチが主力。本当に良く釣れるワームだ。このワームの真のポテンシャルはトーナメント翌日上流エリアでG7の動画撮影を行った際、52cm3kg近いバスをキャッチしたことでも感じたが、レッグワーム同様、魚のサイズを選ばないところにある。今回はノーシンカーと0.9g、1.3g、1.8g、2.5gのそれぞれネイルリグをマスバリのワッキーがけで使用した。フックはそれぞれのリグにより変えたが、これといった絶対なものがまだないのであえて紹介はしない。

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ロッドはほぼFantasista STUDIOUS FSS-60ULSを使用。今回は動かさないメソッドだったので前作の少し重たいものをあえて使用した。リールは当然Revo STUDIOUS。
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試合翌日、上流での1本。ロッドはFSS-60ULSⅡ MGS Exprience。ラインは開発中のフィネスライン3.5LB。

 初日の朝イチはスタートが悪く、動きを間違え水温の低い上流へ行ってしまった。しかし昼前から選んだポイントはまさに今試合のもっともホットなスポットだった。狙ったのは中流の沖のハードボトム。水深は1m以内。そこに水温が上がった時間にさしてくるやつを狙った。風があったりローライトであったり、スポットの広いところは巻物、水温の低い時間は少し下までDeep-X200やフットボールも投入した。それはど数は釣れないと思っていたので耐えて魚を待つ。今回はこれが自分のキーワードだった。
そうしていると初日は13:00ごろ待望の初バイトがきた。しかし不運にもすぐにフックアウトしてしまう。ミスは少し頭に置いていたので引きずらずいたのだが、その30分後、今度は強烈なバイトでラインが鳴り走る、しかしすぐさまラインブレイク。鬼門本領発揮。岩に擦れていたのだろう。その後も終了間際に再びミス。初日は屈辱のノーフィッシュで終わってしまった。

私にとって今シーズンは始まったばかり、メンタルの崩壊などありえない。バイトを待ち、今度は釣り上げる、そしてリズムをつかむ。ただそれだけのこと。初日の結果は仕方がない。それもトーナメント、ただ悪い事もあればいい事もある。
2日目は風がなく、ライトリグをノーシンカーにスイッチした。元々これが一番やりたかったのだが、初日は風が強く、やりにくかったのでネイルシンカーを入れたリグにしたいた。この日はファーストバイトをモノにしたから好展開。11:00ごろからポツポツとバスがさしてきてリミットメイク。単日2位、予選を19位で通過した。
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2日目にさしてきたバスはキッカーが入らなかった。太ってはいるが♂ばかりで不安は残った。

今年は予選までが従来のポイント+総重量ポイント制で、決勝は3日間のトータルウエイトで順位が決められる。私は19位で予選を通過したのだが、ウエイトでは実質12位ということになる。従来のポイント+総重量ポイント制は競技の上では実に公平で結果に忠実な採点方法だが、明快でないため優勝者が最後までわからず、ウエイインが盛り上がらないという嫌いがあった。またポイントは単日でも0があると優勝の目はない。しかし新ルールでは最終日にドカンと逆転優勝もあるのだ。もちろんそれを狙うのがトーナメンターとして筋だろう。だが私は競技者として、どんな競技でもルールは選手が良し悪しを言うべきでないと日頃から思っているが、ルールを熟知して、いかに有利にとらえられるかは重要だと思っている。逆転優勝も狙えるということは仮に10位くらいで予選を通過しても30位まで落ちる可能性があるわけだから、3日目のプランはより知的に戦略的にならなければならなくなったのだ。
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遠賀川戦のデータ。これだけの情報を頭につめて戦う。当然試合が終わったらリセットしないとその次のデータが入らない。

3日目は朝から水温が高く、水温上昇などの変化がなかったからか、ローライトが続いたからか、または北風が強まったからか、プレッシャーからか、シャローへのバスの供給が途絶え、朝イチなんとかフィーディングのやつを一匹釣ることができたのみだった。しかし苦戦したのは他の選手も同じだろう。結果は総合13位と本当に久しぶりの遠賀川戦入賞で開幕戦を終えた。
なお今年は全戦カメラが同船している。おそらくDVDとしてこの戦いが公開されることとなる。この試合の天国と地獄もご覧いただけることになると思う。

最後になりましたが、応援してくれた皆様、本当にありがとうございました。次は北浦戦、今年はやるぜ‼

 

2015/4/1