Today's Komori今日の小森嗣彦

優勝!

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BasserAllstarClassic2018、今シーズンを締めくくるこの大会、優勝という最高の形で終えることができました。
書きたいことは山ほどあるのですが、まずは応援してくださった皆様、会場や湖上で声をかけてくださった皆様、プラクティス中に手を振ってくれた皆様、声援を下さった皆様、アベマのライブ放送をご覧下さった皆様、会場へお越しくださった皆様、このトーナメントを盛り上げてくださった全ての皆様、そして素晴らしいライバルの皆様とそのファンの皆様、運営スタッフの皆様、各メーカーの皆様に心からお礼申し上げます。ありがとうございました。
何かと不調だった今シーズン、この二日間だけは色々と忘れて、心からトーナメントを楽しもう、来てくださる皆様にも日常から離れてこの二日間だけは一緒に楽しんでもらえるように頑張ろう、それが今回の目標でした。トーナメントを楽しむとは…やるべきプラクティスをしっかりやって、最後まであきらめない、人に惑わされることなく勝負の流れに身を任せる、そんな試合ができたら、きっと自分らしさも伝わるし、楽しいし、結果はついてくるだろう。よし勝とう、勝ってそれを伝えようと。

バストーナメントは不条理なスポーツです。常に変化する自然が相手であり、個人個人が別の空間で戦うにもかかわらず、対人の競技。だから勝ち負けに運の要素は大きく占めてくる。でも強い奴は強い。それは釣りの上手い下手は多少あると思いますが、それ以上の何かがある。そこに他のスポーツに引けをとらないドラマや感動があると思います。見えないエリアで戦う他の選手と勝負がリンクしてくる不思議な感覚がおこり、ライブ中継では正に選手同士が「戦ってる」ように見える。ウェイインショーではギャラリーを含めたトーナメントフィールドが一体となる。そしてそこで選手同士にもフィールドにもリスペクトが生まれる。それが私の感じるトーナメントの魅力です。

モコリークローのテキサスリグで50アップを仕留め、カルフォルニアロールのカバーネコで入れ替えを行い、圧倒的なアドバンテージを掴んだ初日でしたが、実はこれはトータル10分足らずの出来事。7時間ほどの競技時間、広い利根川を最下流から上流まで二往復走り回り、キャストを重ねて、僅か車一台くらいのスペースと細い1本の杭からまとめて3匹づつ、計6匹釣った釣果でした。もちろん嬉しい結果でしたが、ここからが本当の勝負だと感じました。追ってくるの小野プロや市村プロは姿が全く見えないので、相手方の展開は予想できません。自分自身も果たして2日目もこんなにうまくいくのか?この僅かなスペースは毎日水位と流れで変化するだろうし、また新たな場所を見つけることができなければ0もあり得る。そしてこのときはまだ気づいていませんでしたが、初日の結果は利根川のキングに火を着けてしまっていました。
2日目、覚悟はしていましたが、やはり開始二時間ノーバイトと楽な展開ではありませんでした。不安…でもそれは私のよく知る感覚で、ここがメンタルの壁、勝負の壁です。これは大丈夫と信じ、ポツリポツリと拾って冷静に壁をぶち破りリミットメイクにたどり着けました。2日目はフィッシングプレッシャーはもちろん、寒冷前線の通過、北風とピーカン、初日に比べ全体のウエイトが落ちる要素は山盛りありましたが、だからといって安心はできず、むしろこのあと入れ替えを行わなければ負ける、その気持ちが強くなりました。しかし釣れどもサイズアップせず…焦りもでてきました。
実際、本領を発揮した沖田プロの強烈な捲りで、そのあとの入れ替えがなければ負けていたのも事実です。小野プロがあと一本同じようなサイズをキャッチしていたら…やはり際どかったと思います。沖田プロや小野プロの気迫が見えない私に届いていたのです。
帰着時の自信に満ちた沖田プロの表情とボートデッキに並んだ私にはないルアーセレクト、そして姿の見えない小野プロに、やられたかな?という気持ちと同時に、これで負けたら悔しいよりも素晴らしいファイトを魅せてくれる二人にリスペクトするだけだな、と思いました。
しかし、結果は優勝!
今回は私が逃げ切ることができました。勝負の流れに身を委ねるだけ、とトーナメント直前のブログで書きましたが、その流れにうまく乗れたみたいです。表彰式でのインタビューは少し感極まって色々と話しましたが、来期からアメリカ参戦を表明している二人のダイスケへ約束通りお土産?メッセージを渡せたこともライバルとして誇りに思います。この二日間、いやプラクティスからのこの1週間は本当に楽しい、幸せな時間でした。釣れた→楽しい。勝った→嬉しい。その前後にある、様々ことに本当に感謝いたします。
今後も小森嗣彦は戦い続けます。引き続き応援よろしくお願いいたします。

2018/10/29