2009-2010年、TOP50を連覇したときFSS-62LSというロッドをV2モデルとしてリリースしました。このロッドは基本的にはFSS-60ULSと同じスペックなのですが、バット部分が2インチほど長く、ほんの少しパワーを感じるロッドです。しかしほんの少し重量も増しています。
開発のきっかけは旧吉野川戦。その前年の2008年の旧吉野川で川バス特有のファイトにネットイン直前でのミスが相次ぎました。ロッドアクションを変えずに、ほんのわずかなパワーをのせたロッドが欲しいと開発にお願いして、プリプラ中に突貫で作ってもらったものでした。
パワーを増したことによる副産物で、少し重たいシンカーも使えるようになりました。FSS-60ULSでは1/8ozのダウンショットがいっぱいですが、FSS-62LSでは3/16ozのダウンショットもこなせます。2009年の旧吉野川戦ではまさにこの3/16ozダウンショットで4位、2010年も3位とこのロッドなくしては語れない好成績を残すことができました。
当初、発売予定はなかったのですが、FSS-60ULSにほんの少しパワーをのっけたいと感じる少数派の方も他にいるかも知れないと思い、限定本数での販売になりました。V2を達成した記念に作ったわけではなく、発売までにはこんな経緯があったのです。
トーナメント中にはこのように、ほんの僅かな違いを求めたくなる時や、全く世になく、全く売れそうにもないけど、こんなのあったら今もっと釣れるのに、と感じることがしばしばあります。ルアーならそう難しくなく改造できますが、ロッドはそれを形にするのには結構大変です。しかし「そのちょっと感じたこと」は、私が年200日以上釣りをして、15年間トーナメントを戦ってきている中で感じたことであり、確信に近いものでもあると思っています。それを拾っていかなければいいものなんて生み出せるわけがありません。
今年も桧原湖のプリプラ中、スプーキーに泳ぎ回るポストスポーンのバスが、横方向のアクションにしか反応せず、しかもショートバイト、ショートタッチで苦戦していました。魚は間違いなく優勝に絡めるサイズばかり。残念ながら季節は進行してしまうため、試合ではメインになりませんでしたが、これを獲るロッドを開発しました。コードネームはSULS「スーパーウルトラライトソリット」。長さもその時は適当でとにかく試合に間に合うように急ぎました。かなりの仕上がりでもう少し季節の進行が遅れたら、このロッドはウイニングロッドになっていたかもしれないというものです。これでなければ釣れない魚は確実に存在していました。
こういったロッドは常に使うロッドではありません。また、コンセプトをはっきりとさせてからサンプルを作り、開発に時間をかけた通常のラインナップとは違います。コスメ(飾り付け)も雑破ではっきいって見てくれよりも機能のみです。イメージ通りにハマるかどうかも工場から上がってくるまでわかりません。従って今までも結構作りましたが、全く使えなかったものもあれば、そこから時間をかけて開発テストを繰り返し、通常のラインナップに取り込まれたもの(ベイトライトリグのFSC-65LS、フットボール専用のFSC60MH、パワーロッドFSC-80H+MGS、エキストラファーストテーパーのFSS-60XULS-MGS)もあります。いや、ファンタジスタSTUDIOUSはそういった後者のものがほとんどかもしれません。しかしどれだけクオリティーが高くできても、あまりにも特殊過ぎると、販売までこぎつける数々の壁でオクラ入りになってしまうことがあります。そうして私は使っているが発売していないロッドもまだ多数存在しているのです。STUDIOUSの世界は私の経験、感覚、感性。より多くのバスを釣りたいからという思いで開発をしています。それを知ってもらうためにはこういったロッドもぜひ手にとってもらいたいと思っています。機会は少ないですがSULSもぜひ手にとって「ああなるほどね」と感じてもらいたいロッドです。
2012/10/16